かれこれここに越してきてから2年ちょっと経つ。
うちのアパートは破格の安さだが屋上がある。午後7時58分に「今日は大文字か」と気付き、なんとなく屋上に上がってみると、すでに女性の先客がいた。軽く会釈をしたが、もしかしたら去年くらいに越してきた隣の部屋の人かもしれない。いつも後ろ姿を少し見るくらいで挨拶をする機会もなかったので背格好だけでなんとなくそう思う。ギターの音などで迷惑かけているかもしれないのであまり元気に挨拶もしづらい。そうこうしているともう1名女性が上がってきた。眼鏡をかけたおとなしそうな女性。私が越してきた頃には女性の住人などほとんどいなかったであろうが、最近女性の気配がするなあ、と思っていたら結構女性の割合が増えているようだ。
全然知らなかったがこんなにも綺麗に見えるものかとぼんやり眺めていた。以前住んでいたアパートの隣の棟の屋上は5山のうち4山の送り火が見られるところだったから大家さんが飲み物を持ってきてくれたり、割とワイワイしていた。2年ぶりの大文字。10分ほどすると2人とも帰って行った。せっかくなので火がなくなるまで眺めていようと思った。...魂が帰っていくのか。大切な人が亡くなった人にとってはどんな風に見えているんだろう。宗教というものが今よりも重みを持っていた時代の人々はどんな風に見たのだろうと思いを馳せたり馳せなかったり...
さらに10分ほど経った頃、先ほどの女性のうち眼鏡のほうの人が戻ってきた。「今年は消えるのが早いですねえ、まだ20分しか経っていないのに」と彼女は言う。歳の頃は私と同じくらいだろうか。ちょっと下だろうか。アニメ声のような感じで関東のイントネーション。ゆっくりとした話し方。なんとなく少し会話をし始めた。彼女は1年くらい前に引っ越してきたそうで、ほんわかしたように見えていたが中国についての研究者だというので驚いた。そのへんから俄然興味が湧いてきた私は色々と質問をした。しかしさすが研究者、落ち着いた口調でとてもわかりやすく色々と話をしてくれた。なんでも中国に5年住んでいたそうで、その間にいろんなところを巡ったそうだ。
印象的だった場所の土地の七彩山のはなし
画像を見せてもらったが、実際の場所もこんな色らしい(加工されている画像も出回っているが、この画像は実際見た色に近いとのこと!)。
すごい。こんな景色があるなんて。
そのほかにも、行ってみたいけれどいけなかった場所として「色達」(セルダと読む)というところ、そしてその場所の位置する東チベットのことや中国の治安のことなどについて教えてくれた。
この赤いものは全てプレハブの建物で、盆地に階段状にあり、夕日がさすとそれはそれは美しい景色だそうだ。しかし、この建物は老朽化だろうか、あと3年もすればすべて取り壊されてハゲ山になるらしい。なんでも、現在この場所は外国の人が入れない場所になっているそうで、4年くらい前まではタクシーの運転手に袖の下を渡せばなんとか入れたそうだが、政府の監視が強くなったので難しいらしい。この場所では今も鳥葬が行われていて、どのように行うかなども詳しく教えてくれた。
意外だったのは、だいたい中国はどこにいっても治安がいいということだった。北朝鮮に近いところと、軍事関係の場所は確かに危険があるとのことだったが、基本的にはどこもゆったりとしていて過ごしやすいところだということだった。
ほかにも色々話を聞いたりしたが、気がついたら1時間半くらい経っていた。
そういえばつい1ヶ月ほど前に知り合った女性も中国と縁のある人でどことなく2人の雰囲気はにている。どうしたんだろう。今度は中国に呼ばれているのかな…
ベランダのないこの家で植物を育てているということで、バジルの種をくれた。
こんな私に育てられるのか…
枯らさないかどうかこわくてたまらない…
そしてご近所さんとの人間関係など私にできるのか...
そんな16日のよる。




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